市町村国保アンケート結果報告(2017年版)

長野県保険医協会では、毎年市町村の協力を得て保険証交付等に関するアンケートを行っている。今年4月に実施した調査結果を冊子にまとめた。

短期証1,245世帯が留め置き

2017年1月現在の保険証交付状況は、全県で交付対象となっている303,462世帯のうち、未交付世帯は1,403世帯。短期被保険者証(短期証)は全県で10,046世帯に発行されており、保険料(税)の滞納世帯36,588世帯に占める短期証の発行割合は27.5%となっている。

県内で発行されている短期証のうち1,245世帯が市町村に留め置きされている。短期証発行世帯の12.39%にあたる。昨年は留置き率が80%だった長野市が今年は87.93%に増加し全県で最も高い。短期証の有効期間別では、6ヶ月の短期証が最も多く発行されている。1~2ヵ月の超短期証は合わせて29.8%だった。

保険証の窓口留め置き理由「滞納」が約9割

今回、新たに「被保険者証の窓口留保の理由」について尋ねたところ、市町村窓口に留め置かれている保険証のうち、約9割が保険料(税)の滞納によるものであることがわかった。保険証の未交付世帯が県内で最も多い上田市は、全て滞納による留め置きだった。

国保法44条による一部負担金の減免を受けたのは全県で132人。減免制度が「ある」と回答したのは37市町村で、「ない」と回答したのは32市町村。無回答だった8市町村のうち、7市町村が条例で減免制度を定めている。

また、今回のアンケートでは「資格証明書で受診した患者で、10割負担が困難な場合は短期被保険者証に切り替えることは可能か」について尋ねたところ、「市町村窓口へ来訪した場合に交付」が33市町村、「対応しない」が33市町村、「納付相談をした場合に交付」が8市町村、「医療機関からの電話で対応」がわずか6市町村だった。「対応しない」とした市町村では、「現在資格証明書を発行していない」としている市町村が多く見受けられたが、坂城町は対応しない理由として「少しでも納付してもらいたい」とコメントしている。また、「患者の状況に応じた対応をする」とするコメントも散見され、市町村としての対応が定まっていない自治体があることがうかがえる。「窓口留め置きなどで被保険者証を所持していない患者が医療機関を受診する場合の保険証交付の対応」についての質問では、滞納額の一部納付で交付するとしたのが41市町村あった。医療機関からの電話で対応するとしたのは13市町村(市部では佐久市のみ)、滞納分の納付は条件とせず、市町村窓口へ来訪した場合に交付するとしたのが15市町村、対応しないとしたのが7市町村だった。滞納額の一部納付による保険種交付を定めている市町村のうち、基準額を設けていないのは21市町村、1期分が3町村、1ヶ月分が2村、現年分全額としたのが1村あった。こうした対応は手遅れ死亡に繋がるおそれがあり、改善が求められる。

加入者の支払い能力を超えた国保料(税)

国保加入世帯の稼得別、所得金額段階別の構成についての質問については、「システム上の理由で集計できない」として無回答の市町村が多い。国保加入世帯の稼得別納税義務者数は「その他」以外では給与所得者が29.8%、所得無し14.2%、自営業が10.72%と続く。所得金額段階別では100万円超200万円以下の世帯が最も多く、全体の22.8%を占め、総所得世帯から200万円以下の世帯は全体の77.2%にものぼる。

また、滞納者の所得金額段階別の構成では、所得100万円以下の世帯が最も多く29.2%。総所得なしから200万円以下は全体の80.5%を占め、支払い能力を超えた国保料(税)が課されていることがわかる。

国保アンケート結果

2018/1/12 31下諏訪町の保険料滞納数に誤りがあったため修正しました。
滞納世帯数103→375 1年以上滞納世帯数35→250
それに伴い県全体の集計を修正しました。
滞納世帯数36,930→37,202 滞納率12.2%→12.3%
p.52-53「国保料(税)の現年分の滞納世帯の所得階層別(滞納金額)の各市町村の滞納額合計欄において、「総所得無し世帯」の滞納金額が集計から漏れていたため修正しました。