診療報酬改定率決定に対し理事会決議を発表

長野県保険医協会は12月21日の2016年診療報酬改定の改定率決定を受け、同日開催された理事会で決議を発表しました。

2015年12月21日理事会決議

決議

社会保障削減ありきの財務省主導の改定率決定に抗議し、
医療の質と量を保障するために医師・歯科医師の技術料の適正評価を求める

 政府は12月21日、2016年診療報酬改定の改定率を全体でマイナス0.84%とすることを発表した。診療報酬本体の改定率+0.49%、薬価-1.22%、医療材料-0.11%となり、実質2回連続のマイナス改定とした。更に別枠で薬剤費等の削減措置の実施も決定した。
今回の診療報酬改定を巡っては骨太方針2015に基づき3年間で社会保障費の伸びを1.5兆円、年平均5000億円に抑制するために、当初から1700億円削減することが規定路線とされた。医療の質を守るために厚生労働省が主導で決めるべき問題を財務省主導によりマイナス改定ありきの議論がすすめられたことに強く抗議する。
小泉政権下では社会保障費の自然増を毎年2200億円削減するとして診療報酬が4回連続のマイナス改定とされる中で医療崩壊が社会問題化したが、安倍政権でこの路線が事実上復活したことになる。社会保障・税一体改革は社会保障の充実どころか社会保障抑制の改革であることは明らかである。
医療財源を確保するためには非正規労働者の増加や賃金低下で伸び悩む保険料収入を増やして企業が社会的責任を果たすとともに、国が社会的共通資本である医療に対して責任をもって財源を投入することが求められる。
診療報酬は国民が受ける医療の範囲や質・量を定め、医療機関の経営の原資となるものである。社会的共通資本として医師・歯科医師が医学的見地から最善の診療行為を行うためにも各医療機関の経営が保障されるよう決定されるべきものである。しかし、これまで長い間、財政難を口実に医師・歯科医師の技術料は適正に評価されず大幅に抑制されてきた。
医療分野の雇用創出効果、経済波及効果が高いことは明らかであり、国は社会的医療への財源投入を政策の優先課題と位置づけるべきである。
われわれは地域医療を再生させ、より質の高い医療提供体制を構築するために2016年診療報酬改定にあたり、改めて医師・歯科医師の技術料を適正に評価することを強く求めるものである。

2015年12月21日
長野県保険医協会理事会