私たちが望む介護のありかたを学び、考え、発信しよう (介護県民大集会)

20131102_kaigo000.JPG11/2日に「だれもが安心の介護保険をもとめる県民大集会」が安曇野スイス村サンモリッツで開催され、約500人が参加した。ケアセンター赤砂の職員による太鼓演奏のアトラクションで幕が開き、実行委員会を代表して塩原氏が介護保険がどんどん改悪されようとする中で、本日参加した多くの県民がオープニングの太鼓のように響きあい、これから頑張ろうといった集会にしたいとあいさつした。
シンポジストの認知症の父親の介護のために休職している当事者の家族は毎日の介護疲れの現状を語るとともに、介護保険は不十分であるが心の支えであり使いやすい制度にして欲しいと訴えた。介護ヘルパー職員からは、前回改定で訪問介護の生活援助が時間短縮され、利用者の見守り、観察、コミュニケーションの時間が削られている状況が報告されるとともに、そうした中でも介護職のやりがいについて事例も紹介され、弱者が我慢を強いられる制度改革がすすめられていることに対しては専門職として自負を持ち、自分たちがいきいき働ける場を確保しなければならないと決意が述べられた。ケアマネジャーからは制度改正ごとに利用者の選択肢が狭まっており、本人のニーズではなく、制度に適応させなければならないことは自己選択、自立を促す介護保険制度の趣旨から逸脱すると指摘した。行政担当者は要支援者が市町村事業とすることで責任が増大すること、市町村財政が非常に厳しい中で市町村会を通じて国に要望を上げていることなどが紹介される一方で、法が改正されればそれに従って住民福祉の充実に努めるのが行政の役割とし、国の審議を見守っていると語った。
基調講演では認知症の人と家族の会全国副代表であり社会保障審議会介護保険部会の委員でもある勝田登志子さんが社会保障制度国民会議の報告書とそれに基づきすすめられている介護保険制度改悪の方向性について介護保険部会の審議内容を紹介しながら批判した。特に認知症では早期の専門職によるケアが必要であり、要支援1、2の市町村事業への移行は大問題であると指摘した。介護保険部会では利用者代表の声はほとんど取り入れられず、このまま制度改悪される公算が強いが、残り少ない時間の中で全国の自治体で国へ意見書を運動を進めて欲しいと訴えた。フロアからは介護事業に携わる関係者を中心に質問意見が相次いで寄せられた。
山本実行委員長が「集会を契機にわたしたちののぞむ介護のあり方を学び、考え、発信したい」と集会アピールを読み上げた後、今回初めて実行委員会に参加した長野県の認知症の人と家族の会代表の関氏が閉会あいさつに立ち、社会保障全体が改悪される中で、この集会を私たちが、そして私が何ができるかを考える出発点としたいと締めくくった。

集会アピール

2013年8月6日に首相に提出された社会保障制度改革国民会議がとりまとめた「最終報告」では、消費税増税を財源としつつ、制度全般において「効率化と重点化」の名のもとに徹底的な給付削減を政府に提言しました。政府、厚生労働省もこの報告書に基づき、介護保険制度の大改悪をすすめようとしています。

その中身は、「予防支援者に対する介護給付の介護保険制度はずし」や「一定以上所得のある利用者負担の引き上げ」「低所得者への施設サービス負担軽減策に対する審査基準厳重化」「特別養護老人ホーム入所者の中重度者への重点化」など、利用者や家族の負担がいっそう増えるものとなることがわかってきました。

このままでは、高すぎる保険料や利用料のために介護サービスを受けたくても受けることができなかったり、特養不足のため入所できなかったり、認知症状の早期発見・早期対応が遅れ、結果として利用者、家族の介護の負担が増えてしまうことが予想されます。

わたしたち長野県民介護大集会実行委員会は、このような不安の多い未来ではなく、より明るい将来像を望みます。社会保障の充実した、「誰もが安心して住み続けられるまちづくり」を目指します。そのために政府に対して誰もが安心して使うことのできる介護保険を求め、本集会を契機にわたしたちののぞむ介護のあり方を県民全体の課題と捉えてみんなで学び、考え、発信していきましょう。そして利用者、家族、介護事業関係者、自治体がお互いに手を取り合っていきいきとした制度改善を求めていきましょう!

2013年11月2日

だれもが安心の介護保険を求める長野県民介護大集会