国会決議を守れ TPPに反対する連絡会議が長野県民集会

20140419_TPP2.jpgオバマ大統領の訪日を前に日米二国間協議が加速化する中で、県保険医協会も加盟するTPPに反対する連絡会議(37団体)主催で、4月19日(土)に松本市あがたの森公園で「TPPに関する国会決議の実現を求める長野県民集会」が開催され約1000人が参加した。保険医協会からは事務局2名が参加した

JA長野中央会の大槻会長は日蒙EPA交渉の大筋合意で農業関係者に不安が広がっていることから、国会議員には国会や与党での決議を必ず実現するよう尽力して欲しいと訴え、長野県民の食といのちとくらしを守るために頑張りたいと挨拶した。
連帯メッセージに「TPP参加交渉即時脱退を求める大学教員の会」の醍醐氏(東大名誉教授)と「TPPに反対する弁護士ネットワーク」の小林弁護士(長野県弁護士会)が立ち、TPP参加交渉からの撤退を訴えた。
 37団体の代表として長野県農業会の望月氏は国会決議や与党決議を必ず実現すること、情報開示の徹底と利害関係者の意見を交渉に反映させることの2点からなる要請を行った。
 集会終了後参加者は松本駅に向かって、デモ行進を行った。

連帯メッセージより

TPP交渉参加から即時撤退を求める大学教員の会
東京大学名誉教授 醍醐 聰氏
報道によるとアメリカは米の関税維持は認める代わりに牛肉、豚肉の関税を撤廃もしくは大幅に引き下げることを強硬に要求しているといわれる。日本の主食である米を人質に取った理不尽な恫喝交渉に他ならない。日本政府は先日のオーストラリアとの大筋合意において関税の率の引き下げは関税の撤廃とは違って国会決議に違反するものではないといいだしている。しかし、国会決議が認めた米、牛肉、乳製品などの重要品目を除外するというのは関税の交渉そのものの対象外にすることが交渉に参加したときの安倍首相の国民に対する約束であったとわすれてはならない。これ以外の解釈はないということを今全国の生産現場から政府に訴えることが緊急の課題だと思っている。甘利大臣は1cmたりとも譲歩しないといった。牛肉の関税を半分にされることが1cmでしょうか。こういった詭弁を許してはならない。日本政府は自動車など工業製品の輸出拡大につながる関税率の撤廃を求めることは成長戦略にとって重要な成果だといっている。しかし、アメリカの輸出するときの関税は2.5%だ。これをアメリカは15年以上かけて段階的に撤廃することには一応応じている。しかし、仮に15年としたら年あたり1.6%程度だ。アメリカ向けの自動車産業の関税を撤廃することがどれくらい日本企業の業績に貢献するかという試算をしたみずほ証券の試算によると年あたり1.9%だという。これに対して為替変動によるマイナス効果は12.7%だ。わずかな自動車関税の撤廃をしても為替がほんのすこし動けば吹き飛んでしまうのはなんで成果なのか。この点をしっかり見極めなければならない。安い輸入品が入ってくることは消費者にとってありがたいことだと宣伝がマスコミを通じて大々的になされている。しかし私たちが生活していくうえで買物をするだけでは成り立たない。安全、安心が保障されてこそ安い品物の値打ちがあるのではないでしょうか。昨年北海道の十勝地方にいって農家のかたがたと話を聞いてきた。地方で多くのところで異口同音できかれたのは、安全なものが入ってくるのかということだ。具体的にはブロッコリーだが、長い間船便で着いて港で保管される輸入物のブロッコリーがつやつやしていることは信じられないとみなさんおっしゃる。これはポストハーベスト以外にありえない。これからこうしたものがどんどん入ってくるということを本当に受け入れるのかどうかということだ。長野県も内閣府に対してアメリカの食品加工メーカーが長野県で地産地消に補助金を出していることで内外の差別の原則に反すると訴えられる恐れはないかという問い合わせをしたときに内閣府は直ちにそうしたことは考えにくいが、ありえないわけではないといった回答を文書で長野県に返している。安い買物をするためには所得が必要である。大学教員の会が試算した結果によれば関税が完全撤廃された場合に全国で130万人の方が職を失うとの結果が得られた。6次化といわれるが、これは1+2+3 第一次産業が1、二次産業が2、第三次産業が3の足し算だといわれている。しかし、川上の基幹的な農業が壊れたときに二次、三次が成り立つわけはないので正確には1×2×3ではないでしょうか。これも6だ。生活していくうえでは病気にかかったときに医者に行かなくてはならない。アメリカは先発薬の特許権をあらゆる形で保護することによって、安いジェネリック、後発品薬の普及を遅らせようとしている。ところが、ジェネリック薬の普及が世界で一番すすんでいるのはアメリカだ。全体の72%を占めている。世界で飛びぬけて多い。日本は22%、先進国で最低。自分の国で普及しているジェネリックを他の国の普及を遅らせようといった横暴な主張があるでしょうか。最後に訴えたいことは、聖域を切り売りしてでも合意をすることが決して国会決議の精神ではない。聖域を切り売りするくらいなら撤退すべきだというのが国会決議の真髄だ。このことを今私たちは政府、国会に強く訴えていかなければならないと思う。最後まで一緒にがんばりましょう。
TPPに反対する弁護士ネットワーク
弁護士 小林 正氏
TPPに反対する弁護士ネットワークは400人のメンバーをかかえている。情報交換をし各地でTPPの危険性を訴えてきた。長野県弁護士会でも昨年10月にTPPが危険なものであるという会長声明を全国ではじめて弁護士会として声明を出すにいたった。長野県に引き続き、栃木県、愛知県、最近では宮崎県の弁護士会がTPpの危険性を訴えるにいたった。弁護士会も及ばずながらこの運動にやっとエンジンがかかってきたという段階でこのような場を与えていただいたことに感謝する。私たちが一番何を訴えたいか。TPPは日本の主権を破壊する、なし崩しにするものである。その結果何が起こるか国の形が変わる、日本の文化が変わる、制度が変わるということだ。主権が侵害されるといったが、それはISD条項という投資家と政府或いは投資家を受け入れた長野県との間で制度を巡って紛争が起きた場合にその解決を、本来日本でおきた紛争であれば日本の裁判所がやることは当たり前のことだが、これが裁判権、裁判を受ける権利、主権そのものだ。それをTPPにおいておきた紛争については第三者の仲介に委ねることとされる。日本の裁判所に救済を求めることはできない。誰に仲裁を求めると思いますか。投資家が投資をすすめることを目的として設立された団体の名簿に従って仲裁人が選ばれる。どのような結果となるかは明らかだ。ISD条項は日本もやっているではないかとその問題が軽んじられるむきがある。それは完全な誤りだ。なぜならば本来ISD条項が必要とされるのは発展途上国などにおいて政情が不安定で法制度が整備されていないといった状況下において投資を受け入れる国が国の発展を願い、断腸の思いでやむを得ずこの制度を受け入れ、投資を受け入れてきたものだ。日本は発展途上国ではない。自分の主権を切り売りして投資を受け入れなければならない事由はない。日本には世界に誇るべき司法制度がある。日本の裁判権を外国の投資家に売り渡す。そんなことが許されていいのか。我々はもっと誇りをもって生きなければいけない。中国と上手くやりたいから尖閣諸島を売り渡すというのか、今日本がやろうとしていることはそれと同じだ。主権を売り渡して投資を呼び込むそんなことは絶対許されない。どういうことが起きるか。基本的には弱者保護の法律、制度、例えば利息制限法とか解雇権の制限法理、環境を守るためのエコカー減税、排ガス規制、水資源を保護する条例、長野県での契約条例というのをつくったがそこにある入札制度、これは必ず投資家の標的になる。なぜなら地元優先、地元保護を掲げている。要するに彼らの発想は制限は悪、保護は悪、自由に競争させろということだ。そうした中で日本の歴史的文化を担ってきた制度が押しつぶされることは明らかであり、莫大な賠償金を支払わされる。20億、30億、場合によったら1000億そうした賠償金額。アメリカの損害賠償の発想は日本には理解できない。がんの予防薬を理由に9000万円の損害の認定をされたといった事例も出ている。損害の算定が不明朗に行われるそうした懸念が捨てきれない。本日は国会決議の遵守を求めるということなので国会決議に関連して若干触れたい。国会決議は乱訴防止を含まない国の主権を損なうISD条項は合意しないとある。これは読みようによったら乱訴が防止されればISD条項でよい、仲裁人に任せてよいのではないかといった風に読めなくはない。ただ、乱訴なんて場合によっては根拠のない訴えなのでそんなに心配することはない。乱訴防止が問題ではなく外国の投資家が事実上判断するといった仕組みそれが問題だ。万が一国会で審議されて国会決議を守ったかどうかというときに乱訴が防止されたからいいといった風にすり抜けることがないように、日本の主権を最後まで守るというのが国会決議の真髄のはずである。本日お見えの国会議員の先生その辺を国会審議の中で指摘をいただくようこの場を借りてお願いする。TPP参加は投資家の権利を最大限に保護することから日本の主権を損ない国民に犠牲を強いるものである。TPPに反対する弁護士ネットワークとしては日本の主権をおかすTPP参加を到底容認できるものではなく、政府に対しては国会決議を遵守して直ちにTPP参加交渉からの脱退を求めるものである。皆さん一緒に闘いましょう。