財政健全化に向けた基本的考え方(財政審)

平成25年5月27日の財政制度等審議会に財政健全化に向けた基本的考え方が示されました。
社会保障関係の概要は下記の通り。

(1)総論

○ 当面は社会保障・税一体改革の実現が課題。消費税率の引上げに国民の理解を得るには、消費税増収分を目に見える実効的な社会保障改革につなげ、その成果を国民に還元する必要。一体改革に伴う公費追加の手法や優先順位付け等が厳しく検証されるべき。
○ 社会保障・税一体改革を機に既往の取組を超えて社会保障の重点化・効率化の新たな制度改革に踏み込む必要。後発医薬品の使用促進など既往の重点化・効率化策については、より効果的な施策を模索しつつ、一体改革とは別に不断に取り組み、財政健全化に貢献。

(2)社会保障・税一体改革における課題

○ 医療・介護分野について、医療・介護サービスの提供体制改革を国保の保険者を都道府県とすることを始めとする医療・介護保険制度の改革と一体的に推進しようとする国民会議の議論の整理を踏まえた改革の具現化を期待。
○ 医療提供体制改革に関して、各地域が地域医療のビジョン等を策定すること、医療計画上の病床規制を新たな医療機能別とすることや都道府県を国保の保険者とする等の改革を実効あらしめる国民会議の提案について、検討が深まり早急に制度化されていくことを期待。
○ 地域によって医療の実態は多様であるが、現行の診療報酬体系では、提供体制の改革に不可欠な地域ごとの対応は期待できず、医療機関の再編等を直接評価するにも馴染まない。消費税増収分を活用するのであれば、効率的・効果的手法で国民に還元すべきであり、当面の公費追加の手法として診療報酬に代わる手法を検討すべき。いかなる手法を採るにせよ、各地域において地域医療のビジョン等が策定される前に公費追加がなされることは、公費の有効活用の観点から、あり得ない。
○ 医療・介護保険制度改革に関して、国民会議は、高齢者医療・介護の自己負担等患者負担の見直しや後期高齢者支援金の負担に対する全面総報酬割などの重点化・効率化策を最終的な取りまとめでも方針として打ち出し、速やかな実現を図るべき。
○ 上記全面総報酬割により不要となる公費分の財源の充当先は、限られた財政資金を効率的・効果的に用いる観点から決定されるべき。国保への優先投入との国民会議の提案も、国保の保険者を都道府県にすることや赤字構造との訣別を前提として次善の選択として是認可能。
○ 医療・介護分野についてはネット1.6兆円弱程度の公費追加が計画されていたが、その見直しが課題。例えば、医療・介護サービス提供体制改革で予定されている▲0.7兆円程度の重点化・効率化効果が2015年度までに生ずることは見込み難く、これを財源として行われる公費追加は、重点化・効率化効果が発現し、定量的に見極めた上でなければ行うべきではない。そもそも過去の重点化・効率化の取組の検証が不十分。

(3)その他社会保障の重点化・効率化

○ 後発医薬品の使用促進については、旧目標の未達成に対する真摯な反省と検証を行った上で、新目標達成には、諸外国の取組を参考に実効性ある具体的な手段が不可欠。最終的には使用数量100%を目指すべきであり、しかも可能な限り早期の達成が求められる。
○ 医療分野ではICTの活用による保険者機能の強化等を通じた外来受診の適正化、介護分野では特養等の内部留保の活用等を図るべき。
○ 生活保護については、生活扶助以外の扶助制度、各種加算制度の根本的なあり方などが今後の検討課題。
○ 労働保険特別会計雇用保険勘定の財政に関しては、5兆円を超えている積立金の状況、諸外国の失業保険制度 、負担者と受益者の対応関係などを踏まえつつ、国庫負担の引下げも含め、そのあり方について検討を行うべき。