社会保障費の伸びを抑制 骨太方針2015を閣議決定

政府は30日、経済財政諮問会議がとりまとめた「経済財政運営と改革の基本方針(骨太方針)2015」をほぼ素案通り閣議決定した。今後5年間(2016~2020年度)を対象期間とする「経済・財政再生計画」を策定し、歳出改革は聖域なく進める。社会保障と地方行財政改革・分野横断的な取組等は、特に改革の重点分野として取り組む。 社会保障分野では安倍内閣のこれまで3年間に社会保障関係費の実質的な増加が高齢化による増加分に相当する伸び(1.5兆円程度)となっていることから、その基調を2018年度まで継続していくことを目安とするとした。また、2020年度に向けて、社会保障関係費の伸びを、高齢化による増加分と消費税率引上げとあわせ行う充実等に相当する水準におさめることを目指すとして、伸び率を抑制する方針を示している。 具体的には、 (1)医療・介護提供体制の適正化ではデータ分析に基づいた入院、外来医療の地域差の是正など都道府県を軸にした医療費適正化の取組みを促している。また、高齢者医療確保法61第14条の診療報酬の特例の活用の在り方の検討、機能に応じた病床の点数・算定要件上の適切な評価、収益状況を踏まえた適切な評価など平成28年度診療報酬改定及び平成30年度診療報酬・介護報酬同時改定における対応なども検討課題としている。 (2)インセンティブ改革としては保険者の医療費適正化などの努力支援や個人の健康管理に対するヘルスケアポイントや保険料支援の仕組みなどを推進する。 (3)公的サービスの産業化では社会保障に関連する多様な公的保険外サービスの産業化を促進。また、マイナンバー制度のインフラ等を効率的に活用しつつ、医療保険のオンライン資格確認の導入などを盛り込む。 (4)負担能力に応じた公平な負担、給付の適正化として負担能力に応じた負担を求める観点から、医療保険における高額療養費制度や後期高齢者の窓口負担の在り方について検討。公的保険給付の範囲や内容について検討した上で適正化する。 (5)医薬品や医療機器等の保険適用に際して費用対効果を考慮することについて、平成28 年度診療報酬改定において試行的に導入。市販品類似薬に係る保険給付について、公的保険の役割の見直しを検討する。 (6)薬価・調剤等の診療報酬及び医薬品等に係る改革では、後発医薬品に係る数量シェアの目標値を2017 年(平成29 年)には70%以上とし、なるべく早い時期に80%以上とする。かかりつけ薬局の推進のため、薬局全体の改革について検討するなどを掲げている。 骨太方針2015 概要

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